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読解問題 1
私は
4人きょうだいの末っ子だ。姉が 2人、兄が 1人いる。姉 2人はもう還暦を迎えた(71)し。み
んな元気なうちに、きょうだい旅行をしたら面白いんじゃないかなと思って、冗談で提案してみたら、
姉たちがすぐさまノッタ。
公務員の兄も日時を調整してくれたおかげで、私たちは生まれて初めて、4人だけの旅行へ行くこと
になった。それぞれ独立すると疎遠になって他人同士みたいになるという意味で、(72)、な~んてい
う諺があるけれど。
確かに結婚をし家庭を持てば、愛情もきょうだいより自分の家庭の方に向く。きょうだいだけでなに
か話をするなんて、父母の葬式か法事ぐらいのものだ。こんな旅の機会は一生に一度かもしれない。そ
う思った私は、添乗員をかってでた(73)。行き先はパリ。
ベルサイユ宮殿やモンパルナス、ルーブル美術館などなど。パリに行った事のない姉と兄に、私の好
きなパリを味わって欲しいな、と思った。
私たちは成田で待ち合わせ、4人だけの珍道中が始まった。飛行機の座席についた時から、各々が好
き勝手な事を言い出したもんだから、添乗員の私は大忙し。DVD の操作を教えるのもリクライニング
を教えるのも、私。
ホテルに着いてルームサービスをとるのも、レストランでオーダーするのも、お買い物をするときも、
行き先を決めるのも、勿論、全部、私。
ホテルの部屋の鍵が開かない、と言っては、どうにかせい!と、兄は私の顔を見る。老いては妹に従
え、な~んて私は冗談を言いながら、何をやっても楽しい 1週間だった。
性格も価値観も人生も、まるで違う 4人だけれど、父母からもらったこの四つの命。父や母に改めて
感謝する旅でもあったような気がする。
そして、四つの命はまたそれぞれの家庭の命に継がれていく。この命の神秘に、痺(しび)れる。一
生に一度と思ったきょうだい旅行。また行きたくなっているのは私だけではない。姉から、「次はハワ
イね~」とメールがきて、つい、(74)してしまった。
(黒木瞳のひみつのHちゃん:9、「朝日新聞」2014 年5月29 日による)
71 「還暦を迎えた」の意味は?
すでに 40 歳になった。 49 歳の厄年を過ぎた。
まもなく 50 歳を迎えた。 数え年 61 歳を迎えた。
72 に入れるべき諺はどれですか。
兄弟は左右の手の如し 兄弟は他人の始まり
姉妹は両の手 血は水よりも濃い
73 「かってでた」の意味は?
勝ちを我が物としつつ出航した。 買ってもらって出発した。
勝利を収めて意気揚々とした。 自分から進んで引き受けた。
74 に入れるべき最適な言葉はどれですか。
がっかり しょんぼり にんまり ぼったくり
75 この文章のタイトルとして最も適切なものはどれですか。
「運命のいたずら」 「おふくろを偲びて」
「きょうだい 4人、水入らずの旅」 「フランスへの一番乗り」